手に持つヌメ革のエイジング
同じヌメ革を使っていても、財布とバッグではエイジングの仕方がちょっと違ってきます。財布の方が光沢の付き方が良くなるから不思議です。
よく観察すると手に触れる部分に起こりやすいことに気付きます。原因は手に触れることで擦られ、磨かれる効果があるからです。簡単に言うと木製の手すりが、何もしなくてもいい感じに光沢が出てくるのと同じです。
今回の作品はひも取っ手がないシンプルなモノですので、丸めて持つにしても、底を持って抱えるにしても直接ヌメ革が手に触れます。ヌメ革の色合いの変化や手触りと言ったエイジングをダイレクトに楽しめる作品です。
約2mm厚の極厚革を使ったので最初は少し硬めですが、馴染んでいくと柔らかくなり、ピタッと吸い付く感じは他の素材では味わえない楽しみです。最初は同じような見た目でも、どんどん個性が生まれて成長するので愛着もひとしおです。
塗装などの革は表面加工が剥がれで劣化するだけですが、昔ながらの本革の楽しみを堪能できる作品です。一枚革で作っているので、底面の糸が擦れてほつれることもありません。
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