劣化する本革とエイジングする本革!
皆さんは『本革』と言うとどんなイメージを思い浮かべますが?
高級品で高そう!そんな風に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実際に本革の生地はナイロンや合成皮革に比べて驚くほど高いです。
沢山の革作品を作り続けていても、切り出したり縫製したりする時、今でも緊張します。一枚革にこだわると一つの失敗が大きなロスを生むからです。
天然由来の大きなキズやムラをどう避けるか。悩みながら進める作業は腕の見せ所ってこともあり、楽しくもあります。
実は本革と銘打っているモノの中にはキズやムラがほとんどない革が存在します。しかも、この本革は非常に安かったりします。
理由は厚塗りの塗装やシボや型押しなどの表面加工でキズやムラを隠す技術が発達したからです。どうせ隠すのだからベースの革は汚い安物が使えます。
大量生産を前提としたプロダクトの世界はキズやムラを嫌います。生産効率が下がり品質が安定しないからです。どうせ加工で隠すのだからベースは本革じゃなくてもいい。
こうして合成皮革の技術が発展しました。革職人でも切り刻まなければ本革かどうかわからない製品も沢山あります。
表面加工を過度に加えた本革は合成皮革と同様に劣化しかしません。本革本来のエイジングを楽しめるようにHIIROシリーズではヌメ革を使って、最小限の加工で作ってます。コストのかかる一枚革を使うことで本革の手触りと成長を楽しんでいたくことにこだわってます。
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