010 重さとは何か。

モノに携わる仕事をしていると「その製品の重さを教えてください」と尋ねられることがあります。そんな時に、この人が求めている『重さ』とは何だろうと戸惑います。

単純に製品を量りに乗せて何gと答えてしまうだけで良いのかもしれないが、この人が求める真意は「軽くて使いやすいのか?」なのかも知れません。

実際に同じ重さのモノでも、形状や持たせ方はもちろん、肌触りや色によって、重く感じたり、軽く感じたりすることがあります。人間の筋肉に負荷を与えない形や動作を求めれば、重いものでも軽く感じさせることができます。

実際の重さよりも、重心の位置や質量を分散させる形が大切だと気付かされます。これらを設計に、どう盛り込むかは現物を試作して使い込むことが大切です。机上の空論で永く使いたいと思う良いモノは生まれてきません。

しっかり握るには、指が回り込む太さが必要です。指先だけで摘まむような取っ手は、握力が無い人にはとても重く感じてしまいます。『Partition bag』と言う製品を作った際は、この握りの部分を求めて厚革を採用した為に製造にとても苦労しました。

今、進めております『Minimal wallet』は、さらにその上の効果を狙っています。革であることの一番の特徴は『触り心地』なのではないか。パンツの前ポケットに入れたまま手を差し入れてグッと握れる感覚は、何かを始める時に『よしやるぞ!』と『心まで軽く』してくれます。

モノとはつくづく不思議なものだと感じながら試作を繰り返す。もはや理屈では語れない感覚の世界です。

この『Minimal wallet』の製品化に向けてマクアケ様にてクラウドファンディングを実施しております。興味が湧いた方は是非一度そちらのページも覗いてみてください。

マクアケ様ページアドレス:

https://www.makuake.com/project/hiiropj2

ホームページアドレス:

https://hiiropj.amebaownd.com/pages/3072442/page_201907151339

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