厚切革の持つ『品格』を伝えたい。

シンプルな作品は、素材の良し悪しで全てが決まると言っても過言ではありません。ヌメ革の質感は厚さが違うだけで、別物かと思うくらい違ってきます。やわらかくラフな質感を出したいときは薄く、しっかりとしたハードさを求める時は厚くします。

本革はなめし方や表面加工などで布の様に柔らかくなったり、厚紙の様に固くもできます。革ジャンの柔らかさと自転車のサドルを思い浮かべていただければわかりやすいと思います。(最近は本革のサドルなんてあまり見かけませんが)

お店で販売されている革製品はデザインの自由度や軽さ、加工のしやすさなどから極薄に漉いたものを芯材に貼り合わせているものがほとんどです。ですので切断面(コバ)を見ることができません。ある意味、合成皮革でも見分けがつかない作りです。

薄くすけば本革でも耐久性が落ちるのですが、流行を追う製品なのであまり気にしないって感じです。耐久性を落としておきながらエイジングをうたったり、サステナブルをうたう革業者はいかがなものかと感じますが。

ヌメ革はハリのある硬めの革ですので、厚紙の様にそのまま作品作りができます。縫製箇所を減らし、金属パーツを使わなければ軽くすることもできます。厚切革の持つ独特な『品格』は実際に手にしてみればわかるのですが、画像ではなかなか伝わりにくいのが難点です。応援コメントにリピーター様がとても多いはこのためです。

お店ではまず見かけることのない厚切ヌメ革と糸、ひものみでできたシンプルな作品だからこそ、素材が活きてくると思ってます。最後の写真は端切れで作った指輪です。厚さと硬さ、そして品格が活きるシンプルな作品です。

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