024 工業製品と作品の違い

 お店を見て回ると、とても良くできた革財布が安価に売られていることがある。製造国を確認すると中国製。

 海外だって豊かになれば目が肥える。工場の工員だって品質に対する意識が高まっていく。家電製品は中国製が当たり前になってしまった。

 日本製をうたいながら、工員は外国人研修者ばかりという場合もあると聞く。外国人が作った日本製も少なくないらしい。

 マニュアル化と標準化を基準とした工業製品は、誰が作っても同じものができあがる。個性がある素材は嫌われる。本革でありながら革を感じさせない製品が増えたのは残念でならない。

 だからこのシリーズは製品と呼ばない。本革は本来一つ一つに個性があるから同じ作品は作れない。個性を活かすシンプルさを追求した結果だ。

 そう言うことが、これからの豊かさで『大人カッコイイ』ことなのだと思う。

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